なぜいま「静的ウェブサイト開発」が注目されているのでしょうか。 大きな理由として、Wordpress に代表されるコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)を運用するうえで、3 つの課題があるからです。
セキュリティ:CMS のほとんどは定期的にバージョンアップされます。バージョンアップでの変更点が小さければ、大きな問題にはなりませんが、大幅なアップデートであれば注意が必要です。インストールしたプラグインや拡張機能との整合性が合わなくなり、サイトに不具合が発生することがあるからです。たとえば、突然ページのレイアウトが崩れたり、問い合わせフォームの動作がおかしくなるなどが発生します。
パフォーマンス:「ページの読み込みスピードが遅い」といった問題は、CMS が動的にページを生成するという仕組み上、なかなか避けることはできません。性能に関係なくウェブサイトを設置したいのであれば、ここは問題にはなりません。しかし、サイトを通じてのブランディングやSEOへ取り組むのであれば、サイトの流入数や離脱率をよくするために、少しでも高速なサイトを作るべきでしょう。
メンテナンス: CMS を導入した場合「定期メンテナンス」の予算が必要です。CMS のバージョンアップに伴う互換性チェックや、不具合対応、バックアップ、サーバー側のアップデート対応も必要となります。「バージョンアップはしない」という乱暴な考え方もありますが、セキュリティーホールが手当できず、深刻な問題につながることがあります。
当社では静的サイトジェネレーター HUGOにて、速やかに静的ウェブサイトを構築します。ユーザー様における現状の理解から改善策の立案については、当社のプロフェッショナルへご相談ください。
静的・動的 CMS との違い
項目 | 静的 | 動的 CMS |
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パフォーマンス | 良い | 中〜高 |
セキュリティ | 非常に良い | 中〜低 |
インフラ | 単純 | より複雑 |
バックアップ | 容易 | より難しい |
データ駆動化 | できない | できる |
コンテンツ更新 | ファイル単位 | レコード単位 |
デザイン | 自由 | テーマによる |
バージョンアップ | 任意 | 継続的かつ脆弱 |
事例
サイト:当社コーポレートサイト
課題:当社はかつて様々なシステムを利用して、ウェブサイトを構築してきました。FrontPage、IBM ホームページビルダー、DreamWeaver などです。近年では WordPress を使いましたが、本体とプラグインのバージョンアップにより不具合が発生し、頭を悩ませていました。セキュリティ脆弱性の観点でも不安がありました。
ソリューション:データベースを必要としないサイトであれば、「静的サイトジェネレーター」で十分です。Azure Static Web Appsがリリースされたことを契機に、静的コードジェネレーターへ移行することを決定して、「シンプルな開発環境」「早く構築できる」「管理が楽」なツールをじっくり探しました。そして Google Go 言語で開発された Hugo という静的サイトジェネレータを選定。その結果、サイト運用担当の時間的、精神的な負担が減り、コンテンツ制作の生産性が高まりました。
性能:PageSpeed Insightsにて、任意の当社コーポレートサイトの URL を入力すると、Google によりパフォーマンスが高いことが確認できます。